【黒バス】悪童くんと、良い子ちゃん。【花宮・R18】
第1章 始まりは
そのまま花宮が有栖をマンションに連れて行った
珍しく慌てていた様子だったが、何を思ったのか
ぎゃあぎゃあ五月蝿い原と山崎に瀬戸も五月蝿い、と言っている
取り敢えずいつものメニューの残りを終わらせて、見舞いに行くべきかと考えていた
*
「おい、桐原、着いたぞ」
「ふぇ…花宮…さん…?…っ⁈」
慌てて飛び起きるとどうやら私は花宮さんにお姫様抱っこをされているらしい
驚いて落ちるかと思った
頭がガンガンする。段々周りも良く見えなくなって来た
「すみませ…鍵、筆箱のなか…」
「はっ、普通知らねー奴に鍵の在り処教えるかよ」
頭の痛みに逆らえないまま、ガチャ、という開錠の音、そしてぱたん、という扉の音を最後にもう一度意識を手放した
*
「…はぁ、まさかこの俺が女に対してここまでするとはな…」
「…ん、ぅ…っ、…?」
「あ?起きたか」
「…花宮、さん?…え?」
「俺がお前をここまで連れて来ただけだ」
「え、あ…っ‼︎‼︎す、すみません、あの、えと、その…っ!」
「うるせえ黙って寝てろ」
「は、はい…」
寝てろよ、と念を押して外に出る
どうやら彼奴は俺が思うより面白い奴らしい
さっさと近所のコンビニに行って、彼奴が食いそうなものを買って行こう、と、バスケ部の奴らが今の俺を見れば吹き出しそうなことを考えた
*
「…花宮、さん」
噂よりずっと酷い人だったみたいなのに、どうして私に優しくして下さったんだろう、
きゅう、と胸が痛くなる
まさか今日初めて話した人に恋なんてしないだろうから、きっとこれは熱の所為。そう思って、もう一度眠る事にした
「…おやすみなさい…」