第1章 図書委員*黒子テツヤ
*黒子side*
返事があるなんて知らない僕は、いつも通り本を棚に戻していました。
もしかしたらさんは気付いてないか……もしくは僕だとは知らずに捨ててしまったかもしれません。
ちょっと気になって例の本が置いてある棚まで足を進めると、そこにはメモを挟んだ2巻がありませんでした。
これであのメモはさんの目に止まったのは間違いありません。
何故言い切れるか……。
それはこの本は目立たない場所にあるからです。
「あ……」
けどどんな話なのかとこれまた気になって、僕は1巻を手に取ってパラパラと捲ってみました。
すると二つ折りにされたメモ用紙が床に落ちたのを見たんです。
音もなく床に落ちている白い紙を見ただけでドキッとしたのに……
それを拾おうと屈んでさらに胸がドキッとしました。
二つ折りにされているから少しだけ内側が見えちゃうんですけど……
チラッとだけ最初の文字が見えてしまったんです。