第5章 ネタが降臨しない原因*伊月俊
ってボソボソっと呟いた言葉、何故かオレの耳にしっかりと届いた。
『私のが熱くてーー』
その意味は直ぐに理解出来てしまった。
オレと同じで……ちゃんも照れてくれてたんだって。
「な、何でもないですよ!気にしないで下さい!」
こうして慌てるちゃんは本当に可愛いと思う。
ほっぺ赤く染めちゃったり、ちょっと早歩きになっちゃってたり。
「あ……そうか、オレ……」
そんなちゃんを見ていて気付いた。
オレ……この子の事好きなんだ。……と。
そうと分かったら何だか急に元気になってくる。
今までのやる気のなさは恋煩いだった。
やっと解決……。
「家まで送ってくよ」
「え?!でも方向が……」
「大丈夫。それにあの辺街灯少ないし。こうも暗いとライトない道は危ないよ」
「あ……先輩今……」
「ほら、行こう」
*次へ続く*