第4章 デート*緑間真太郎
「このオレがこんな場所に来るとはな……」と考えながら中に入ると、そこは人だらけで既に疲労を感じた。←
こんな所の何が楽しいのだろうか。
オレには理解出来ん。
「ねぇ、何処に行けば買えるの?」
「こっちなのだよ」
はぐれたらいけないのでさり気なくの手を握って歩き出すオレ。
普通に繋いだだけだったがあまりにも人の波が凄すぎて、直ぐに恋人繋ぎに変更。
この時ちょっと後ろを歩くから「あ……」という声が聞こえた気がした。
「もしかして帽子?」
「違うのだよ」
「じゃあカチューシャ?」
「違う。黙って着いて来い」
「う、うん」