第20章 vs桐皇
高尾side
試合が終わり、今は大坪さん達と帰ろうとしてるとこ
考えるのはさっきの試合のことばっかりだ
誠凛vs桐皇の試合に、俺は衝撃を受けてる
俺たちが負けた相手がダブルスコアで負けたんだから、衝撃受けて当然だろ
でも、誠凛は誰1人諦めてなかった
俺たちは観客席だから、コートでの話は聞こえない
だけどちゃんの『誠凛、ファイッオー‼︎』という声だけは、俺にも聞こえた
それから誠凛ベンチはまた声を出すようになり、コートの中の選手達の目に光が戻った
(ちゃんはやっぱスゲェな……。最後まで仲間を信じてる)
俺は勝手なイメージで、ちゃんは強い子だって思ってたんだ
だから、俺は今また衝撃を受けてる
「!?」
だって、俺の目の前を泣いてるちゃんが走り去っていったんだから
「すいませんっ‼︎ ちょっと先行っててもらって良いっすか?」
宮地「あ?なんだ高尾、便所か?」
俺は先輩に返事もせずちゃんを追いかけた
「テメェ無視すんな‼︎ 刺すぞ」という物騒な叫びが聞こえたけど、今は無視←
(それよりちゃんだ‼︎‼︎)
「ったく、どこにいんだよ⁉︎⁇」
俺は必死で辺りをウロウロしてちゃんを探した
自分でもビックリだ、こんな必死になってんのが
だってまだ3回ぐらいしか会ったことないんだぜ?
それでも今のちゃんを放っておけなかった
「ハァハァ…… っ‼︎ やっと見つけた‼︎‼︎」
ちゃんは、会場の外に設置されているベンチに座って泣いていた
もう夜だからか、周りに人気はない
俺はちゃんに近付いた