第2章 キミとの距離(芹澤悠吏)
「芹澤先輩!」
お昼休みの購買で先輩の姿を見つけた私は、ダッシュして背後から先輩の腕にしがみつく。
「うっわぁ!わぁ…び、びっくりした…。あ、あの愛ぽん…は、離して…」
振り返った先輩が腕にしがみつく私を見て言う。
「なんでですかぁ?」
私はわざととぼけて答える。
「やっ…あのっ…人にっ…見られるよっ?」
先輩はアタフタしてる。ふふっ。
「先輩、見られたら困るんですかぁ?」
私は唇を尖らせて怒ったフリする。
「いや、そんなことないけど!そんなことないけど!」
そう言いながら先輩は優しく私の手を腕から離す。
私はおとなしく離れてあげる。
「お昼ごはん一緒に食べませんか?」
私は先輩の顔を見てにっこり笑う。
私が身体を離したからか先輩も安心した顔でにっこり笑う。
「うん、もちろんいいよ。いい天気だから中庭に行こうか」
「はい!」
私は先輩の提案に賛成する。
私もそうしようと思ってたから!