第10章 わたしの紘夢(逢坂紘夢)
学校が終わると、帰宅部の私は家に帰る。
1人だけの家に。
パパもママも外国。
だから、私は寂しいの。
「彼氏、連れ込むんじゃないぞ」
って笑いながらパパは言った。
優等生の私がそんなことするわけないって思っての冗談だ。
でも、ごめんね。
私、パパが思ってるより悪い子なの。
……
「ただいま」
そう言って、私は自室のドアを開ける。
私を迎えてくれる声はない。
「寝てるの?」
私はベッドの上の彼をのぞき込む。
思った通り、彼はうとうとしてたらしい。
重そうなまぶたをそっと開ける。
そして、現状を再認識し、小さくため息をついて、また目を閉じた。
私はベッドに腰掛けて、彼の髪を撫でる。
嫌そうに彼は少し身体をよじる。
ふふ、可愛い。
…
逢坂くんを監禁して3日目。
まだ、心を許してくれていないらしい。