第3章 僕の名前(逢坂紘夢)
僕にはずっと片想いしている女の子がいる。
入学式の日からずっと。
でも違うクラスで、部活とか交友関係でも接点なくて。
2年になったら同じクラスになれるようにって願掛けしたり…いろいろ思いつく限りの事はしたけど叶わず。
よりによって彼女はA組、僕はE組と一番離れたクラスになってしまった。
なので覚悟を決めて声を掛けて自己紹介して、僕が所属している文芸部に誘ってみたけど断られた。
ならばとデートに誘ってみたけど適当にはぐらかされたまま進展せず…。
だいたい僕の人生いいことなんてほとんどない。
多くを望んではいけない人間なんだ、きっとそうだ。
僕の楽しみは小説を書くことと、彼女の様子を影から見守ること。
今のところ彼女は他の男と付き合っている様子はないので、このまま密かに彼女のことを想うだけの毎日でもいいかなと思い始めた頃…。
藤城学園七夕祭実行委員会に彼女が立候補したことを知った。