第2章 キミとの距離(芹澤悠吏)
「わっ!? 愛ぽん!?」
「いいのに…」
「え…?」
ちょっとびっくりしちゃったけど私、先輩がキスしたいって自分から言ってくれてすごく嬉しかった…。
「わたし…先輩になら何されてもいいのに…」
「わぁっ!ダメダメ!こんな状況でそんなこと言っちゃダメ!愛ぽん無防備すぎっ」
先輩が慌てて言う。
「え?」
私は先輩の顔を見上げる。
「あ、いや…考えすぎだったね…」
先輩が気まずそうにうつむく。
別に本当に何されてもいいんだけど…。
私は具体的に言うことにする。
「じゃあ…キスしたいです…」
「うん…」
先輩は再び私の頬に触れる。
そしてそっと持ち上げるようにして顔を上げさせる。
私は先輩の顔をもっとずっと見てたいけどとりあえず目を閉じる。
唇にむにゅっと柔らかいものが触れる感じがする。
キスしちゃった…。
ていうか結局は私からしたいって言っちゃった気がするんだけど…。
まあいっか。
fin