第7章 the past ③
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僕は毎日病院に通った。
部活の自主練はせずに、そのまま病院に直行した。
「一会さん」
今日は見舞い人がいない。
僕と一会の2人っきり。
「あ、颯斗さん。毎日毎日ありがとうございます」
「いえ、僕が来たくて来ているだけですから」
「あら?」
一会は僕の姿をしっかり見ると、首を傾げた。
「その、制服....もしかして烏野?」
「そうですよ」
僕はくるっと一回転してみた。
まるで、晴れ姿を見せる孫のように。
「懐かしいわね....私も烏野だったのよ」
「そう、なんですか」
少し切なくなった。
一会は一会で変わらないのに。
どうも、一会と過ごしたあの2年間の話をするのは苦手だ。
「私は男子バレーボール部のマネージャーをしていたの。烏野のバレーボール部は強いのよ。そこで私は沢山泣き、笑ったわ。とても、愛しい人にも........出会った、気が....するわ........どうしてでしょう。思い出せないわ」
あ........
僕は一会にバレないよに唇を嚙んだ。