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【ハイキュー】Re:year

第7章 the past ③


「えぇ。着替えと、花の水換えをしに来ただけですから」

娘は僕にお辞儀をし、病室を出ていった。
病室は一会の息の音しかしなくなった。
僕はもう一度椅子に座り、一会の頬を撫でた。

僕の羽根があれば元気でいてくれると思っていた
力が弱まっているのだろうか
何もできず、ただ見守ることしかできないのか?
情けない........
無力でなにもできない

僕は立ち上がり、一会の顔を覗き込む。
そして一言。

「ごめんなさい」

僕は一会の口を覆っている緑のマスクを取り、口付けをする。
そのとき、僕の息を少しだけおくってやった。
なんの意味もない。
ただ、なにか意味があればいいなとしか思わなかった。
マスクを戻し、病室をあとにした。

病室のドアを閉めたあと、一会が目をうっすらと開け、「は....やと....」と言ったのを僕は知らない。

*****

時が過ぎるのは早いと思う。
1日24時間。
1年365日。
その中で人々は暮らし、生きていく。
目まぐるしく変化していく社会情勢。
時代に乗ろうと、個性が薄れていく若者。
面倒くさいと言って子を宿さない女性。
そのため、年々減少していく子供の数。

どうして変化していくのだろうか。
前までは人の手でしていたことを機械がする。
直接顔を見て会話していたけれど、今では画面上のこと。
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