• テキストサイズ

【ハイキュー】Re:year

第7章 the past ③


僕は人間になり、病院へ向かう。
一会の部屋を訪れたときにはもう、一会は衰弱しきっていた。
それでも僕は手に持っていた僕の羽根を一会の心臓の上に置いた。
羽根が青白く光を放ち、その光は一会の中に吸い込まれていく。
みるみるうちに顔色が良くなり、心拍も正常となっていく。

これでもう大丈夫だろう
あとはこの羽根が君を守ってくれるよ

僕は病院を後にした。

*****

僕は一会が通う烏野高校に転入生としてやってきた。
僕と一会は同じクラスだった。
僕は元気に談笑する一会を見て、涙が出るほど嬉しかった。
僕が一会を好きになるまでそう時間はかからなかった。
一会と僕は小さい頃からずっと一緒にいる幼馴染みのように親しくなった。
だけど当然、その仲は1年と保たない。
僕は一会がマネージャーを勤める男子バレー部に入部した。

*****

季節が巡り、夏から秋、秋から冬、そして冬から春へとなる。
春になれば、一会は3年になり、僕は後輩になる。

「はじめまして、吉川くん」

それが、3年生になった一会の初めての言葉だった。
僕は覚悟をしてここにいるはずなのに、覚悟が甘かったのか、なんなのかわからない。
予想以上に悲しかった。
一会が僕のことを忘れ、ただの後輩になった瞬間だ。
/ 63ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp