第6章 遺書
「そういう、ことだったのか」
吉川は独り言のように言う。
「君はとても一会に似ている。もし月島が女だったら僕は惚れていたかもしれない。」
「吉川さんは、曾祖母が好きだったのですか?」
「あぁ。愛していたよ。忘れることなんてできない」
月島は立ち上がり、カバンを肩にかけた。
「明日、渡したい物があるんです。帰り、僕の家に寄ってもらえませんか?」
立っている月島を見上げている吉川。
「あぁ。分かった」
吉川も立ち上がり、カバンを肩にかける。
2人揃って公園を出、それぞれの帰路に着く。
*****
月島は家に帰り、ご飯を食べ、風呂に入り、ベッドに横になって吉川の羽根を弄んでいる。
暫くくるくると回すとそれを枕元に起き、部屋を出た。
部屋を出た月島が向かった先は和室だ。
和室の押し入れをあけると、下の方にダンボールが2つ置いてある。
その1つを引っ張り出し、蓋を開けた。
中には沢山のノートが入っている。
ノートの中を確認していく。
一通り確認し終えてから、ノートをダンボールの中に戻す。
月島はその重たいダンボールを自分の部屋へ運んだ。