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絶対零度が溶ける時

第1章 出逢い


「お前、ほんっとキモいよな!!」





校舎裏の、人目につかないような場所____


そこで、

一人の少年に、四人の少年達が罵声を浴びせていた。






「どうせゲイなんだろ!!?

この女男!!」



少年は言葉を言い終わる前に、一人の少年を蹴り飛ばした。



「っ…。」




あまりの痛さに、その少年も苦痛の表情をうかべる。





「こんなひょろひょろしてよぉー、

腕なんか簡単に折れちまうんじゃねぇか?あ?」



そう言って、別の少年が一人の少年の腕を思いっきり捻じった。



「っ!?…


…ぃ…っ」



「おい、痛ぇなら言ってみろ!

僕はオカマで、女の子になりたいんですってよぉ!!」


捻じったまま別の少年が腹を蹴り飛ばす。




「ガハッ!!」



「ひゃははははははっ!!!」





だんだん、彼等の暴力は激しくなっていった。




終いには少年の服に手をかけ、乱暴に脱がし始める。






「うぇえ!!お前の腹の傷、いつ見てもキモいな!


確か病気の手術跡だっけか?

これ開いたら、俺等にも病気感染しちまうよなー!!」


「きもー!!」



少年の言葉に同調して、他の少年も騒ぎ始める。

その口調は汚く、いつまでも笑っている。



「っ……」




今まで黙っていた少年も、この言葉には涙を堪えられなかった。



「うわああ!!皆涙に触るなよ!!涙でも感染するからな!!」


叫んでいるが、笑っている。





涙は流したものの、一人の少年はずっと黙っていた。


そのうち、それが腹立たしかったのか笑っていた少年達の顔にもだんだんと怒りがこもってきた。




「チッ…、

黙ってねぇでなんか言ったらどうだ?」






「じゃあ言わせてもらうけど、そこ通りたいからどいて。」




四人の少年の後ろから、ハスキーな少女の声がした。



「あ?
!!?…





…。」







その少年達は笑いながら振り向いたが、少女の姿を目にした直後、笑みを消して顔色を真っ青にさせてしまった。



「…

こ…、ここ通るって…こんな校舎裏通らなくても…行けるだろ…?

何でこんなとこ…とぉるんだよ…っ!!」



四人のうちの一人が問いかけた。
その声は震えていて、まるで威嚇するようだった。
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