第3章 ひぎゃあああああ!!!
理棘「どうする?」
指凛「ん?」
何が ん? だ。こういうところは少しも変わっていない。
理棘「此処のことだよ。お前が聞こえる音によると、まだ人がいるんだろう?」
指凛「まだ、人かはわからない。まあ、この階にいる何体かは、確実に人外だが、他は、遮蔽物があって聞こえない。」
ほー。って、
理棘「他にもいんのか!?あんなバケモンが」
冗談じゃない。もうあんな奴ら、見たくもない。できるだけ避けねば。
指凛「ああ。でも、人間だったら、接触は必須。だが、少なくとも、同じ階には行かないとなんとも・・・。」
ん?あ、いい方法思いついた。
理棘「指凛。じっとしてろ。」
あれをやろう。
私は指凛の前に仁王立ちした。
理棘「臨兵闘者皆陣裂在前」
廊下に私の声が響く。
理棘「我を司いし神よ。我に力を与えたまえ。」
これを唱えている最中は、変な気分だ。体を乗っ取られたような感じがする。
理棘「印」
すうっと体の力が抜ける。
これで指凛の能力も向上したはずだった。