第6章 《WT》モテ期がきたようで…
ボーダー本部
忍田本部長に呼び出され、久々に本部に顔を出した。…それがまさか、災難の始まりだったなんて。
「あ!アリス先輩ー!」
「緑川ー元気にしてた?」
「もっちろんーアリス先輩、久々に10本勝負しようよー」
「ごめんー今日は忍田本部長に呼び出されたんだよー」
「えー!じゃあ、話が終わった後でもー」
緑川とそんな会話をしているとそこに米屋と出水がやってきた。
「あっれ!アリス先輩じゃん!久しぶりっスね!」
「米屋!出水!久しぶりー」
「アリスがこっちくるなんて珍しいー」
「まあね、忍田本部長に呼ばれて」
「相変わらず、本部も過保護だねー」
米屋が手を頭の後ろに回しながら呆れたように言った。ブラックトリガーを2つ持つ前代未聞の存在な私はあまり外出許可が出されない。こうして本部に来るのは呼び出された時か、ランク戦の解説者として来るくらい。
「まあ、ブラックトリガーだし」
「今度東さんの奢りで焼き肉食べに行くんだけどアリスもどう?」
「え?!東さんの奢り?行く行く!」
「アリス先輩も来るの?ラッキー!」
「さっすが、出水先輩」
東さんはなんだかんだ気前がいい。年上で私達のことは弟や妹のように可愛がってくれている。行かない訳がない。
「所でアリス」
「ん?」
「あの話、どう?考えてくれた?」
「あの話?」
出水の言うあの話の心当たりがない。
「だからーアリスに10本勝負、1本でも取れたら付き合ってって話」
そんな約束しただろうか。
「うえ!?どうゆうことよ、出水さん!?」
「そんな話、聞いてないよ!出水先輩!」
「お前らには関係ない話だよー聞いてんのはアリスなんだからさー」
「出水先輩にアリス先輩は似合わないでしょーなんなら俺と付き合ってよ!アリス先輩ー」
「いやいや、お前みたいなチビより俺だろ?アリス先輩、俺と付き合ってみない?」
「…とりあえず全員却下」
「「えー!!」」