第6章 《WT》モテ期がきたようで…
《有栖川祐side》
最近、自分でも思うようになった。私にはモテ期が来ているのではないのかと…。自分で言うのもなんだが、ホントにそうなのだ。
「あ、アリス先輩」
「おー遊真じゃん」
現在地、玉狛支部の基地。いつものように起きてご飯を食べ、リビングに行く時、三雲隊である遊真とあった。そこまではいつも通り、私もいつも通りの日常だと思っていたのだ。
「先輩、勝負しようよ、最近やってないし」
「いーね、栞ちゃんに聞いて仮装フィールド貸してもらうかっ」
遊真と勝負をするのはいつものこと。私も手応えのある人と闘えていい練習になる。
「仮装フィールド?いいよー勝負するの?」
栞ちゃんは快く貸してくれた。
「まあねー」
「じゃあさ、普通に勝負するのもつまらないからネイバー狩りで勝負するのはどう?」
「ネイバー狩り?」
遊真が首を傾げる。
「どっちが多くネイバーを狩れるかの勝負だよー数はこっちで数えるから」
栞ちゃんの提案に私は勿論、遊真も面白そうだと頷く。仮装フィールドに転送され、お互い普通のトリガーで勝負をすることに。
『それじゃあ、始めるよー制限時間は5分!はじめー!』
スピーカーから栞ちゃんの合図。それと同時に広い仮装フィールドに大量のネイバーが出現した。
「…楽しそうじゃない…」
ネイバーを見てそう思う。戦ってる時が一番、生き生きしてると思う。弧月を手にネイバーの群れに突っ込む。
それから5分後ー
『はーい、終了ー!お疲れ様』
栞ちゃんの声でネイバーの大群は消失。仮想フィールドから待機室に自動的に移動。ベットにドスンと仰向けに寝転がる形になった。
「ふー…楽しかった」
ベットでしばらく疲れをとっていると待機室のドアが開き、誰かが入ってきた。
「アリス先輩、お疲れ」
「遊真かーお疲れー」
顔を覗き込むように遊真が上から見ていた。
「どう?手応えは?」
「まあ、ざっと100は超えた気がする」
「あはは、100ねえ」
笑っていると少し暗くなったので目を開けると遊真の顔が近くにあった。
「遊真、顔近いってば」
「…アリス先輩ってさ、美人だよね」
「褒めたって遊真の勝ちにはしないよー?」
「別に勝ちが欲しい訳じゃないけどさ…」
そこで遊真が更に顔を近づけてきてから…。
「アリス先輩が欲しいかな」
「……え?」