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色々短編集

第4章 《Free!》惚れたあの子


《三谷美樹side》

駄目だ…。滅茶苦茶意識しまくってしょうがない。

「美樹ー!そろそろ、片付けするよー!」

「あ!はい!」

バイトの先輩に呼ばれ、片付けをするよう言われる。上着を持って出入り口に急ぐ。

「悪い!御子柴!」

「おう!ありがとな!」

「…御子柴!」

「ん?」

「終わるまで待っててもらえるか…?」

「分かった」

勇気を出して今日、ちゃんと答えてみようと思う。


*********************


「ごめん、今終わった!」

「平気!平気!」

二人して前と同じ様に歩いて帰る。

「み、御子柴」

「ん?」

「あの時の答えだけどさ…」

ピタリと立ち止まり、御子柴を見る。今、私の顔は真っ赤になっているだろう。

「私も好きだ!」

これまでにないほど心臓がバクバクしている。試合前でさえ、こんなに五月蝿くないと言うのに。

「三谷」

「?」

名を呼ばれて顔を上げるとギュッと抱き締められた。逞しい腕に大きな胸板。中学の時よりさらに大きくなっていた。

「好きだ…」

「私も」

私も御子柴の背中に手を回す。

「御子柴に告白された後、学校でも別の男子にも告白されたんだ」

「!?こ、断ったよな?」

「当たり前…」

ホッとしたように肩を落とす。御子柴以上に私は御子柴が好きだった。

完ー
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