第1章 リアルもゲーム(?) 孤爪 研磨
「これで冷やしたら、鼻血止まると思うから。」
氷をタオルで包んだのを渡される。
それを受け取って、鼻に当てる。
冷たい…
どうしよう。こういう時なんて言うんだっけ。
告白…?違うな。無理だ。
お礼?…今日何回目だろう。
何て言おうかな…
「孤爪君さ…」
「何。」
「あの…私の事、嫌い?」
彼女は俯きながら少し悲しそうな顔をしている。
おれが嫌ってるように思えたのかな…。
言葉に迷う。
変なこと言ったら嫌われてるって椿は思い込んじゃうだろうし…どうしよう。
「嫌いじゃない…」
「え、けど…」
「嫌いじゃないし、むしろ、」
言ったらおれが嫌われてしまうかな…
「大好きだよ。」