第2章 ~生け贄の少年~
「今日は何を作っぺ。栄養は大事だげんど・・・王様あんま食べねぇし・・・」
館の中に有る厨房では、銀髪三つ編み猫又方言少女が、献立で悩んで居た。
少女の作る料理は、館に住む者に好評の一品だ。
少女の愛情籠った料理を、王は余り食さない。
何時も仕事で席を外す為だ。
「む?食材足りねぇだ。獲りに行かねぇと。」
少女は、厨房の奥に有る扉から外に出て、籠を担ぎ食材を獲りに行こうとした。
打が、外に居る魔の者達が有るモノを取り囲む様に屯って居る事に気付いた。
「おめぇさん達、何やってるだ?」
「キキィ、キィキキィキィ。」
「人間が・・・倒れてる打か?」
「キィ、キィキィ。」
「王様に知らせるべ!『生け贄』が来たと!あぁ、あとおめぇさん。茸獲ってきて欲しいんだげんど、御願い出来っか?」
「キィ!」
「王様に『生け贄』届けっから手伝ってくんろ!!」
『キィ!キキィ!!』
少女と魔の者は、荷台に『生け贄』の少年を乗せ、王の元に運んだ。