第7章 ~右目~
「ぁあ?政宗だあ?」
「何で又、政宗の話をするのさ?」
「・・・・・・」
「良いから答よ。」
元就の急な問い掛けに、三人は主旨が解らず口を閉ざし始めた。
打が、等の元就は、水を一口呑んだ後口を開き話始めた。
「貴様等、疑問に思わぬか?」
「何の話してんだ?」
「一体、何の話?」
「・・・・・・」
「奴は人間なのだろう?何故日輪を嫌う。」
「ぁあ?太陽を嫌うだあ?」
「えっ?御天道様をかい?」
「・・・・・・」
「幸村、貴様は知って居ろう?政宗の尋常ではないあの態度を。」
「・・・・・・」
「貴様、答えぬ積りか?」
「・・・・・・其に、其に御答えしたら、政宗殿が・・・政宗殿が、」
幸村の濁した発言の最中、注文品を持った店員が来た為、会話は打ち切られた。
「・・・取り敢えず、食事にしない?」
「おぉ、そうだな。腹ぁ減ってるしよ。」
『・・・・・・』
「二人共。ほら、食べよ?」
居心地の悪い空気の中、四人は食事を始めた。
打が、先程の会話に誰も触れ様としなかった。
館に戻った四人は、其々自が部屋に無言で戻り、暫く出て来なかった。
そんな四人が気になって部屋を訪ねた政宗立ったが、門前払い去れ小十郎の膝の上で悄気て居た。
「・・・政宗、云い加減機嫌直せ・・・」
「・・・・・・」
「まーさーむーねー。聴いてんだろ、コラ?」
「・・・・・・打って、」
「・・・・・・」
「・・・打って、此方に来て、初めて出来た・・・友達・・・何だぞ・・・」
「・・・知ってる。」
「為らっ、察して・・・くれても、良いじゃねぇかよ、」
膝の上から引き剥がした政宗の顔は、泣きじゃくってクシャクシャだった。
そんな顔を視られたく無く逃げ惑う政宗を放す舞と、小十郎はベットに押し倒し、涙に濡れた左目を舐め始めた。
其に政宗は、身体を強張らせたが、次第に落ち着きを取り戻した。
「・・・政宗、政宗泣くな。御前に泣かれると俺は、気が焦っちまう・・・」
「・・・っ、小十、郎・・・?」
「打から、打から泣くな政宗・・・頼む、」
「・・・御免、御免小十郎、」
「・・・・・・」
「小十・・・郎・・・?」
詞を発しなく為った小十郎を心配した政宗は、顔を見た途端口を引き釣った。
其に有ったのは、黒い笑顔をした小十郎の顔だった。