第2章 ~生け贄の少年~
廃棄の世に、異様な建造物が建てられて居た。
生き物全てを寄せ付け無い建造物。
『滅びの館』
此の世を、一夜にして滅ぼした『魔界の王』が建てたモノだと、人々は云った。
其の館に、興味本意で入った者が居たが忽然と姿を消し、二度と帰って来なかった。
人々は怖れ
ー『魔界の王』が連れ去ったのだ
と、云った。
其以降、館に近付く者は居なく為った。
打が『魔界の王』の破壊は、絶え間無く続いた。
人々は云った。
ー『生け贄』を捧げれば、破壊は終る!!
人々は捧げた。
『魔界の王』の破壊を止めるべく、館に『生け贄』を捧げた。
然し、破壊は終らない。
人々は、尚も捧げた。
赤子、幼子、若い女子や男子。
打が、何度捧げても破壊は終らない。
人々は云った。
ー『魔界の王』よ、此以上破壊を続けるのは止めて下さい!!
ー我々は、まだ死にたく有りません!!
ーどうか、怒りを収めて下さい!!
人々は懇願した。
地べたに頭を下げて、懇願した。