第5章 ~探検~
「地下には、危険なモノが沢山有るからだ。」
「・・・・・・」
「良いか、政宗。無闇矢鱈に地下に行くなよ?俺が何時でも、御前を護れる訳じゃねぇんだからな?解ったな、政宗?」
小十郎は、政宗の眼を見据えながら呟いた。
其を聴く政宗の瞳が光輝居た。
どうやら、政宗の脳内に術式を駆けた様子打が、政宗は平然と小十郎の詞を聴いて居た。
「・・・うん。解った、小十郎。」
其に気付いた佐助は、政宗の首枷に目線を向けたが、直ぐに平然とした態度に為った。
「部屋に戻るぞ政宗。あぁ、御前等、政宗と仲良くな。」
『仰せの通に、我が王よ。』
小十郎は政宗を抱き抱え、振り向かずに幸村と佐助に話し掛けた。
其に二人は平伏したまま応え、二人を見送った。
二人を見送った佐助は、笑顔で幸村に向かって話し掛けた。
「旦那、疲れたでしょ?御茶にしよっか。」
「オォ!気が利くでは無いか佐助!!某、王に逢った後は直ぐに腹が減るのでな。」
「王の魔力は強力打からね。其に充てられたんだよ。」
其を聴いた幸村は、首を傾げた。
「では何故、政宗殿は平気なので御座ろうか?」
「さぁ・・・・・・あっ!ほら、旦那。御茶が入ったよ。旦那の好きな団子と一緒に食べよっか。」
「ウム。佐助の淹れる茶は旨いからな、団子と良く合う故!!」
「世辞は止してよ、旦那。さぁ、御茶が冷めない内に食べよ旦那。」
「頂戴致す!!」
幸村は、がつく様に団子を頬張った。
そんな幸村の様子を、佐助は茶を啜りながら眺めた。
打が、政宗に感じた違和感が頭を過った。
ー・・・王に術式を掛けられても平然として居た。身体に何らしら影響が出る筈なのに・・・もしかして、あの首枷の御陰で?あれにも、微か打が魔力が感じられた・・・其も、強力な術式・・・生身の人間が耐えられる代物じゃ無い・・・
そんな佐助の思考を、幸村の詞が跳ね退けた。
「佐助・・・政宗殿は、政宗殿で御座る。何者でも、其の外でも御座らぬ。王に好意を抱いた一人の御仁故、考え過ぎは良く無いで御座る。自が見た政宗殿を信じるのが一番で御座るよ・・・」
「・・・旦那・・・もしかして、政宗の・・・・・・否、うん。そうだね、旦那。考え過ぎは良く無いね!!」
口まで出か駆った詞を呑み込んだ佐助は頭を振り思考を整え、笑顔で幸村に向かって呟き団子を頬張った。
一瞬過った詞を消す為に