第3章 ~興味~
政宗は、己を口説いて来た王の顔を見詰めた。
左頬には切り傷が有り、髪型は前髪を挙げて893に見え無くも無い。
打が、何故か嫌いに為れず、犬っころの様な府陰気を醸し出して居る様に見えた。
「・・・・・・あのさ・・・」
「・・・何だ、政宗・・・?」
「あんたの名は・・・何て云うんだ?」
「・・・・・・小十郎・・・と、呼んで来れ・・・」
「・・・小十・・・郎・・・」
政宗が、王ー小十郎の名を呟くと、微かに微笑んで居た。
ー・・・わっ・・・笑った・・・!!
政宗が、小十郎の微笑みに見入って居ると、突然、寝室の扉が開き、何者かが浸入して来た。
其の者ー使用人は、小十郎に一礼すると口を開いた。
「王よ。御楽しみの時に失礼します。御食事の御用意が出来ましたが、如何致しましょうか?」
其に気付いた小十郎は、政宗に覆い被さったまま応えた。
「・・・・・・あぁ・・・此所に運んで来れ、二人分。酒は・・・ノンアルコールのを頼む・・・」
「理解しました。其では、失礼します。」
使用人は、小十郎に一礼すると、寝室を後にした。
小十郎は、何事も無かった様に、政宗に話し掛けた。
「さぁ、政宗・・・続きと行こうか?」
「いっ、嫌だあああぁあぁぁあああぁあぁっ!!!!」
王の部屋から突然聴こえた少年の叫び声に、廊下に居た使用人が驚いたのは、云う迄も無い。