第11章 あらたなひかり
晃君が去っていくと
二人の間には何とも言えない空気が流れていた。
「あ、あのね。私ちょっと嬉しいんだ。」
「ぼ、僕さっきは彩さんにひどいことした。」
「えっ?」
「あの時、ちょっとムカついて意地悪しちゃったんだ。
目があったときどうして声かけてくれなかったんだって
それってただの甘えで・・・ごめんなさい。」
「うんうん。謝らくていいよ。私も困ってるの気づいてたのに・・・助けられなかったからお愛顧だね。」フフ
彩は静に向き合った。
「あのね。今日あさ静くんが来たときちゃんと言えなかったんだけど・・・すっごく変わった!可愛いし、かっこいい静くんになったね♪
私静くんにはそういう髪型も合ってると思う。」
「えっ////」
褒められ慣れていない静はうつむいてしまった。
「もう、あの時の静君じゃないよ!変わったの!自信も少しずつつけてこ?」
「は、はい!
僕、あの時素顔を見られてどきってしたんです。
彩さんに自分の一番見せたくないところを見られて、嫌われるんじゃないかって。でも、彩さんは僕のこと褒めてくれてだから、今の僕がいるんです。」
彩はずっと前のことを思い出した。
「そういうこともでしゃばって言ってたきがします・・・。」
「僕、ずっと誰かに認めて欲しかった・・・って願ってたのにいつも必要としているひとには認められない。
・・・すっごく悔しかったんだ。
でも、今は自分をしっかりともてるきがしました。」
そう呟くと彩は静にギュッと抱きしめられていた。
「・・・
僕、彩さんのこと
好きです。狂いそうなくらい。」
『えっ?』
そのささやきにビクっとした彩。
耳元でいままできいたことのある大好きな声が聞こえた。
私なんできづかなかったんだろ。
彼に似てる・・・
ネットでいつも聴くうた。
『そばにいて。その光がきえないように。』