第14章 檻の中のきみ
「先輩・・・」
「俺、荷物おきっぱだったからとってくる!おれ、先授業いってるな?二人ともいないと先生めんどくさいから。
彩のことは言い訳しとくから!」
そういって慌てる晃。
『よろしくね。』
----------------ガチャ
すると・・先生が語りだした。
『このこ、事務所にいるじゃない。
こういうことがあると一応連絡をしないと
いろいろ厄介なのよね。
あっちの世界はそうそう上手くいかない。
この子は今まで必死で居場所をもとめて頑張ってきた。
でも、かれの周りにはきっと心を開ける人がいないのよね・・・
わたしもあまり連絡したくないけどするわね。』
「はい・・・」
抱えているものが大きい先輩は
きっといっぱいいっぱいなんだろう。
わたしはなんで気付いてあげられなかったの。
そばにいて、あんなに明るい先輩の顔は
人に見せる顔。自分を守る顔。