第14章 檻の中のきみ
『そういえば・・・』
といきなり口に指をあて考える様子を見せる瑠衣
「ど、どうしたの?瑠衣君」
『最近、兄貴おかしいんですよ。
お家に帰るなり、部屋にこもって・・・
いつもなら俺にかまったりしてくるのに。
仕事いそがしいからなんですかね・・・お二人は詳しいこと知りませんか?最近、オアシスの方も店長にまかせていることが多いらしくって。
まぁ兄貴のことは好きじゃないけど、テレビのあの人見てると憎めないっていうか・・・』
いつもとは違う瑠衣の様子に戸惑った彩。
嫌いっていうけどやっぱり兄弟なんだね
いつも学園で見る悟先輩は変わったような様子はないなと
彩は思う。
「うーん・・・最近は会ってなかったけど
特に変わった感じはしなかったな。
あったときはなしてみるね?」
と彩は瑠衣に伝えた。
『はい・・・兄貴は嫌いだけどお願いします。あの人いないとオアシスもたいへんなんで!
あ、じゃ僕はこれでおしごと~♪』
そういって去っていく瑠衣
兄弟ってやっぱいいなぁ
心配なんだね。お兄さんのこと。
でも、弟のルイ君が気付くくるいだから
なんかあるのかな。
そんなこと考えながら
ひとみと会話をしていた。
外も夕闇になりオアシスをでて帰宅した。