第9章 1週間の恋人
ゆきside
ケータイで撮った
一枚の写真を見る。
まだ、付き合ってなくて
潤くんが元気だったころの。
翔:「ゆき…大丈夫か?」
ゆき:「…うん。今日から、1週間、病院に寄ってから帰るから…」
翔:「…おぅ…」
ゆき:「…じゃぁ、行ってくる…」
翔:「…行ってらっしゃい…」
学校でも、彼のことが頭から離れない。
「ゆき…!!退院したんだねっ」
ゆき:「あ、みっちゃん…」
みっちゃんこと、山村みちる。
私の大親友。
みっちゃん:「これ、休んでた分のノート。」
ゆき:「…ありがとー!助かる…」
みっちゃん:「…あれ?元気ない?」
ゆき:「…実は、入院中、運命の出会いしたんだ…」
みっちゃん:「…嘘!?どんな人?」
ゆき:「…彼。松本潤くん。小さいときから、重い病気抱えてずっと、入院してるんだって。」
そう言って、写真を見せる。
みっちゃん:「…その彼と付き合うの?」
ゆき:「…うん。でも、1週間だけ。」
みっちゃん:「…1週間だけ!?なんで!?」
ゆき「…たぶん、それ以上、生きられないから…っ…」
みっちゃん:「…え…」
ゆき:「…みっちゃんだったら、そんな彼と付き合わない?」
みっちゃん:「…好きだったら、付き合うと思う…でも、辛いよね…」
ゆき:「…うん、辛い…」
みっちゃん:「…でも、1週間でも、彼との思い出たくさん作ればいいよ。」
ゆき:「…うん。ありがとう。みっちゃん。」
みっちゃんに話したら、
ちょっと、楽になった。