第9章 1週間の恋人
智side
智:「39.7…高いね。」
昨日の夜から、
熱が下がらない。
点滴を何度しても
下がる気配がない。
潤:「…んっ…はぁっ…はぁっ…」
智:「…潤。頑張れ…」
潤:「…ゆき…ッ…」
彼女の名前を何度も呟く。
ガラッ
ゆき:「…潤ッ…!!」
智:「…あっ…ゆきちゃん…」
ゆき:「…智先生…」
智:「…潤、昨日から、高熱出して、全然、下がらないんだ…」
ゆき:「…潤。」
潤:「…ゆき…」
ゆき:「…辛いよね…」
潤:「…ごめんな…ッ…デート…とか、出来なくてッ…」
ゆき:「…そんなの、元気になったら、いくらでもできるじゃん…」
潤:「…そ、そうだな…」
ゆき:「…ウソ…デートなんていいから、生きてて…ッ…それだけでいいから…」
潤:「…うん…」
智:「…ッ…なにか、あったら、呼んで…」
そう言って、病室を出る。
智:「…はぁ…こんなの…残酷すぎる…ッ…」
なんだか、悲しくて涙が出た。