第63章 最終章 『夢の続き』
拝啓
お父さん、お母さん
風が身にしみる季節になりました。元気にしてますか?
あの日以来私は、元気に繋心と一緒にバレー部のみんなにアドバイスさせてもらってます。毎日がとっても楽しいです!
お父さんとお母さんには、いっぱい迷惑かけたと思います。傷つけるような言葉をたくさん吐き捨てたと思います。小さい頃の私がよく、夢に出てきました。彼女はとっても哀しげな瞳をしてました。
あの頃、私は生きる価値が欲しかったんだと思います。
そして今私はこうして、みんなからバレー以外の生きる価値をもらいました。
本当に、みんなには感謝しています。もちろん、お父さん、お母さんにもです。
だから私、今とーっても元気です!!
敬具 葵より
追伸–––
スキな人が出来ました♪
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葵
「フフッ」
繋心
「何だよいきなり」
葵
「1つ夢が叶って嬉しいんだ〜」
繋心
「?」
葵
「監督……ではないけどこうやって、バレーのことで誰かに役に立てること」
繋心
「立ってたじゃねえか。今も、前も」
葵
「……そっか。」
坂ノ下に寄り道して繋心と少しの会話
葵
「よーし、じゃあいってくるね!」
繋心
「おう、がんばれよ」
立ちあがり坂ノ下を後にした私は、"ある人"に会いに行った
ドキドキする
高鳴る胸と、これからすることに私は自分の顔が上気するのがわかる
振り返る彼
ああ、待たせちゃったな、なんて
大好きなあなたに、大切なあなたに
『––––スキです……つきあってください!』
『夢の続き』終。