第59章 菅原さんの想い
菅原side
フライング一周が終わり、それぞれに休息をとっていた
大地
「次、俺達がココに来るとしたら一次予選の後か
そん時はいくらか涼しいかなー」
俺の左隣の旭の、また左隣で水分補給しながら「アッチィー」とぼやく大地
「残暑がある ザンショ」
大地
「どうしたんだスガ」
旭
「突破できなきゃ3年はもう来れないワケか……」
さっきからずっと固まったままの旭がより一層青い顔して柄にもなくプルプル震える
「出たーーーッ!ネガティブヒゲーーーッ!!」
旭
「ちょっ……!?」
大地
「また全員で来るに決まってんだろボゲ」
旭
「……そうだな、スマン」
俺はネガティブのヒゲを退散させるべく、脇腹にグーパンチを叩きつけた
旭
「つーか今の影山の言い方に似てる」
大地
「ボゲェ!日向ボゲェ!」
「似てる!!!」
旭
「もっかい!!」
俺は腹を抱えて笑った
初めての遠征
最後の夏が、終わろうとしてる
"全員で来るに決まってんだろ"
大地の言葉がずっと脳裏に焼きつくのを、頭の片隅で感じていた