第58章 待っているもの
葵
「…………」
「津田くん」
背後から私の名前を呼んだのは、武田先生
武田先生
「その足でフライングしに行くのは危険ですよ」
葵
「………すが、わらさん……
すみません。先に行っててもらえませんか……」
菅原さん
「わかった」
菅原さんは私の横を走って通り抜け、そのままフライングしに行った
残った私と、武田先生と繋心
武田先生
「……津田くん
その足ではしばらく動かないでしょうから、治るまで指導をしてくれないでしょうか」
振り返り私は武田先生の目を見た
にこやかにしていた
繋心も驚いた顔をして武田先生の顔を見ていた
武田先生
「あ!別に烏養くんの指導が悪いとかそんなのじゃないですよ!?
ただ、指導者は多い方がいいですし、様々な視点から見ることで気づくことも多いのではと思いまして…
それに、君はあの津田 葵さん、ですからね」
葵
「!」
武田先生
「すみません
さっきの話聞いてしまいまして…」
葵
「……わかりました
指導、させてもらいます」
捻挫した足を引きずるように私は外へ向かった
それにしても、どうしよう