第52章 表と裏
「旭さんナイッサ!」
その声に反応してエンドラインでボールを軽くバウンドさせている旭さんを見る
ピッ、と笛の合図が響けば旭さんはそれを上へと放る
あれは、ジャンプサーブ
この前、3年生たちとミニゲームをした時に初めて見たときはびっくりしたものだった
あの後旭さんに色々と聞かれてちょっと大変だった
説明するので、下手っぴなんですよ
私(笑)
旭さんが打つサーブはやはりエースだけあって威力は申し分ない
これでコントロールできれば立派な刃となる
旭さん
「チッ」
打たれたボールが相手側のエンドラインを超えてしまい、旭さんが舌打ちをする
葵
(こ、こ、こわ……!!)
猫又監督
「うーん 小気味良い!
小気味良い程に!噛み合ってないねぇ!」
メンバーを交代し、たくさんの事を試していく
葵
「………」
今は菅原さんが入り、シンクロしたけど失敗しているのを見ている
繋心
「どうだ、驚いたろ?」
葵
「………うん
なんだか、置いていかれそうだな〜」
繋心
「十分お前もついて行けてる
どうだ、入ってみるか?」
葵
「え、ホント!?
入る!!って、うわ!!?」
繋心
「!?」
コートでは西谷さんがバックゾーンから踏み切ってジャンプトスをまさにしようとしていたところだった
ほんと、びっくりするくらいに
このチームは色々と飲み込む
葵
「ねぇ、繋心」
繋心
「なん――!」
葵
「早く、入れて」
繋心
(ゾクリ)