第52章 表と裏
「なあなあ!
スカイツリーどこ!?」
「えっ スカイツリー……?」
「あっ!アレってもしかして東京タワー!?」
「エ"ッ………」
前では元気いっぱいの日向がキラキラした目で研磨に問いかける
研磨というと、後ろからでもわかるほど困っている
研磨
「――あれは……
あれは――………普通の鉄塔……だね……」
それをクロがニヤニヤと隣の海さんはニコニコとしながら見ている
私はというと、それをまた横から見ていた
クロ
「なんなの宮城には鉄塔無いの?
あの会話デジャブるんだけど」
クロが指を指しながら眠そうに欠伸をする大地さんに聞く
聞いた瞬間、大地さんの目がカッ、と刮目された
大地さん
「東京にある鉄塔は大体東京タワーに見えるんだよ地方人は!」
すかさず菅原さんがこう言った
菅原さん
「おい 暴言。
あと ここ 埼玉な」
葵
「ここ埼玉なんだ……」
クロ
「お前何年東京に住んでるんだよ……」
葵
「15年だけど?
クロ、バカじゃないの?」
クロ
「バカなのはお前だよ!!」
葵
「私に国語負けてる人にバカとは言われたくないですね!」
クロ
「俺に数学負けてる奴に上から目線で物言って欲しくないデスネ」
葵
「むっ
よし、黒尾君よ
バレーで決めようじゃないか」
クロ
「おぅ
受けて立ってやるぜ?」
バチバチと火花が散らしながら、森然高校が見えてきた