第49章 進化には何がいる?
クロのおかげで途中から音駒チームに参加させてもらうこととなった
葵
『でもっ、それじゃあ……』
猫又監督
『お前が烏野を変えろ』
葵
『……分かりました
参加させてください』
大地さん
「ガチでやりあうのは初めてだったかな」
旭さん
「そうだな
味方だと心強いけど、敵になったら怖いなぁ」
西谷さん
「何弱気になってるんですか!旭さん!!」
田中さん
「津田、俺と勝負だコラ」
葵
「いいですよコラ」
日向
「よーし!勝つぞぉおお」
影山
「当たり前だ」
皆ヤル気みたい
私も凄く、ワクワクしてる
クロ
(楽しさに飢えたケモノってか……
まったく、変わんねぇのな)
研磨
「クロ、顔」
クロ
「おっとわりぃ
漏れてた?」
葵
「どうしたの?」
クロ
「なんでもねーよ」
葵
「?」
向こうのサーブから始まった
音駒のレシーブ力の高さを改めて実感した
その中でリベロを務める夜久さんはすごいと思う
ピーッ、と鳴り響くホイッスル
それと同時に私はボールを数回跳ねさせた
サーブは私だ
西谷さん
「葵ー!!
俺にサーブ打ってくれー!!」
打ってくれと言われたのが初めてで、思わず笑いが零れた
ふぅ、と息を吐き床にボールを数回打ち付ける
そして、まっすぐ西谷さんの目を見た
西谷
(ゾクッ)
緊迫した空気が流れる
その中を、エンドラインよりも少し遠く離れてサーブトスを上げる構えをする私
大きく上がっていくボール
それに目掛けて、走る
両腕を羽撃く前の鳥のように、揺らし
そして、地面を蹴って
私は翔ぶ
コート全体が一望できる、この瞬間が好き
西谷さんの顔が見える
ボールが手元にやってくる
それを、ドライブをかけて勢い良く
叩きおろした