第46章 デンジャラス アウェイ
「えー オホン
取り敢えず当面のスケジュールを伝えます」
体育館で私達の前、繋心の隣で律儀に正座をしながら話し出す武田先生
その声はいつもと違って少し覇気がないように感じる
武田先生
「まずは再来週末
県内の日山高校と練習試合が決まっています」
「おおーっ」と湧きあがる声
武田先生
「――で 例の東京遠征ですが―
向こうのIH予選は昨日行った通り今週末からです
こっちは3日連続で決勝まで行われましたが向こうは3週に渡って日曜に試合が行われます
……ですので合同練習は予選の後になりますね
遠征の場合親御さんの了承も必要だから後で書類を配るね
学校からの承諾も基本的には大丈夫」
葵
「費用は?」
繋心
「費用も取り敢えず目処はついてる」
葵
「そっか なら安心して遠征を待つのみってことか」
武田先生
「ただ――」
武田先生のトーンが低くなる
メガネをクイッと上げて切り出した
「それだけじゃないよね?
来月になったら――
期末テストあるの わかるよね?」
一瞬にして空気が張り詰めた
「わかるよね?」と再度言われた私の隣に座っていた影山、田中さん、日向、西谷さんはフイっと視線を逸らした
武田先生
「テスト期間は向こうともだいたい一緒らしいので合同練習はそれの後――という事です
で 予想ついてるかもしれないけど
赤点で補習になる教科がある場合――」
「「「「!!!」」」
絶句。いけない……だと?
遠征に……??
あはははは