第44章 ファイナルセット
何なんだ、この人
この人、止まらない涙を止めたぞ
いやいやいや!
それは置いといて
葵
「……何なんですか、あなた」
??
「あ、そうですね
自己紹介が遅れました
僕はこういう者です」
スッと渡された名刺を受け取る
まず目に飛び込むのは、やはり名前でそこには
『水落 蒼太郎』と書かれていた
葵
「みずおち……そうたろう……さん」
次に目に留まったのは、職業
葵
「えっ!?……月刊バリボーの……人なの?」
水落
「そうですよー
日本高校男子バレーの三つ折り選手のうちの1人
牛島君の取材にと思って来てるんですよ〜
いやあ、来た甲斐がありました」
葵
「ちょっと待ってください!
まさか、僕を載せる気じゃありませんよね!?
やめてくださいよ!!」
水落
「どうしてです?
もしかしたら戻れるかもしれませんのに?」
葵
「だから、僕を津田 葵と勘違いしないでいただけます?」
私は水落に借りたハンカチを返してそこを後にした