第44章 ファイナルセット
日向
「山口っ ナイッサ……!!
でも負けねーかんな……!!」
山口
(一瞬でも下げられるのが嫌なんだな……)
繋心
「山口 流れ変えて来い!」
山口
「は……はい……!」
山口が日向と交代してコートに足を踏み入れる
山口
(こっち側は気温が違うみたいだ……!)
葵
「山口凄いじゃん、ピンサなんて!」
大地さん
「一発行ったれ山口!」
影山
「ナイッサ」
旭さん
「ナッナイッサ
きっきらっ気楽に行けよっ」
大地さん
「旭"気楽"の意味わかってるか」
蛍
「………」
葵
(このタイミングはダメだ!
ビビる!ムリ!私なら絶対ムリ!)
旭さん
(これが高校初試合初サーブとか心臓出る!口から出る!コーチドSか!)
西谷さん
(旭さんか翔陽だったら心肺停止119番だな)
大地さん
(こっちも緊張する……
いかん山口に伝わる!平常心……!)
影山
(日向が打つよりは後頭部が安全だな)
「「「山ぐーち!!」」」
控えの方から声がした
見ると、そこには
「「「一本ナイッサーブ!!!」」」
西谷さん、菅原さん、縁下さんなどが人差し指をたて山口にビシッと指し、おまけに片足を上げるという奇妙な行動をされてらっしゃった
そして、やけに菅原さんがノリノリ
ウィンクまでしちゃってる
山口がこくりと頷いた
手汗をズボンで拭いて、ダンダンとボールを跳ねさせるも足に当ててしまって転がして
どっからどうみてもガチガチ
葵
「山口!
今は山口が主役だ」
山口
「!」
(そうだ、俺だって戦えるって……、証明しろ!!!)
ピッ
山口がボールを投げる
フローターサーブを打つ
カツ
ピッ