第36章 伊達 vs 烏
葵
「接戦ですね……」
菅原さん
「ああ……
向こうにとっても、俺達にとっても
この1セットが一番重要なんだ」
葵
「………いいなぁ」ボソッ
菅原さん
「わかるよ、俺も」
葵
「声に出てました?」
菅原さん
「俺は聞こえたよ」
そうこうするうちに、いよいよ烏野がマッチポイントをとった
葵
「日向ナイッサー!」
日向が打ったボールはネットを超えたが、エンドラインを超えてしまった
日向
「!!
……スッ
スミマセン!スミマセン……!」
大地さん
「気にすんな!
一瞬反省したら後は引きずらなくて良し!」
日向
「八……
ハイッ………!」
日向が戻ってきた
葵
「日向ドンマイ」
山口
「ドンマイ!
………伊達工の7番スゴイな……」
日向
「……うん………
さっき止められるかと思った
でも
今 前衛に旭さん居るし
大丈夫」
葵
「そうだね」
(旭さん、こんなに頼られてる……
ちゃんと………
旭さんちゃんと
烏野の エースだよ)
コートに居る旭さんが今まさにアタックしようと跳んでいた
東峰
(ラストの1点すら決め切れずに
何が"エース"だ!!)
ドガッと音があがり、ボールが跳ね返される
葵
「っ!!」
ヤバイ!後ろはガラ空き――
ボッ
西谷さんが繋いだっ!!
葵
「上がったっ」
旭さん
「レフト!
もう一本!!」
影山がほとんど真後ろからトスを上げた
葵
「ネット際……!」
押し合いをするも、
相手に跳ね返された
誰もがボールを落とすと思った瞬間――