第36章 伊達 vs 烏
東峰side
強靭な"壁"に惨敗してから3ヶ月
日向
『ブロックが目の前から居なくなって
ネットの向こう側がぱあっと見えるんです』
そんな場面も今まであったはずだけど
どうしても"鉄壁"の向こう側はイメージできなくなっていた
鉄壁の向こう側は どんな景色だろうか
日向が向こうにだんだん止められてきている
ブロックされたボールがこちら側のコートに落ちそうになる
それを、西谷が拾った
俺は、3ヶ月前の"俺"とは違う
津田
『皆の想いも背負っているのがスパイカーなんです』
日向
『だから皆―――
アサヒさんを"エース"って呼ぶんだ』
影山
『ひとりで勝てないの当たり前です
コートには6人 居るんだから』
日向
「持って来ォォい!!」
日向の声が、俺を我に返らせた
そうだ、俺は"エース"
こんな俺でも頼ってくれてる
その期待に
応えなくて………どうする!!?
日向が跳んだ
伊達工もブロックに跳ぶ
そして、俺もバックで跳んだ
影山のトスが俺のもとへ
その時、日向がいっていた"ネットの向こう側が ぱあっと"
見えた
東峰
(………ああ
これか)
ズドッとボールが打たれ、点が決まる
部員からの歓声
もしも、3ヶ月前
あのまま俺は、部を避けていたなら今頃
こんな体験はできなかっただろう
だから
東峰
「……お前ら凄いよ………
ありがとうな」
西谷
「何言ってんスか!
決めたの旭さんデショ!
堂々として ホラ!」
影山も日向も、分かってないだろうな(笑)