第32章 見参ッ!!
影山side
神ワザ速攻を上げてくれ
津田の放った言葉が、一瞬俺の思考回路を停止させた
なんでイキナリそんなことを……?
まず、日向以外にあのトスは打てるのか……?
俺は、黙ったままだった
津田の言葉を聞いた部員までもが黙ってしまった
そして、彼女の言葉
得点源である変人速攻に一人でもかけたら烏野は崩れる
おまけに、普通の速攻とあの速攻をいつか見切られて叩き落とされる
真っ直ぐに俺の目を見て言い放つ
今までにない、真剣な瞳
テレビに出ていた時の瞳と同じ
ゾクリと背筋が震えた
黙ってしまったままで居ると、帰ってしまった
俺も、日向も、部員全員の顔が少し緊迫な表情になる
烏養さん
「はぁ〜あ………
あいつの悪い癖が出ちまったよ
あいつ、大会とか試合が近づくとああなっちまうんだよ
こう、ズバズバ言う的な?
ま、言ってることは正当に変わりねーんだけどな」
武田先生
「バレーが好きなんですね
それだけ」
烏養さん
「あいつのことだからな……
いつかの野望を叶えたいんだろ……」
大地さん
「野望……?」
烏養さん
「俺もそれは知らねーんだ」
あれだけ仲のいい烏養さんでも知らないことなのか………
なんなんだ?