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チイサナイキ
第5章 第四の日
ー落ち着け。おれがいるだろう…。ー
優しい低い声…
『とらさん…』
椎菜も幾らか落ち着きを取り戻したようだ。
ー椎菜。すまない…。俺もここからだしてやりたいが、この扉は俺の牙では無理だ…ー
虎が悔しそうに俯く。
『んーん、とらさん、ありがとう…。とらさんがいなかったら私………』
ー…………すまない。ー
またポロポロと涙が溢れる。
しかし前ほど恐怖は無くなっていた。
虎が話せるようになったからだろうか。
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