【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第49章 *また逢えた……【虹村修造】*
さんside
「大変だ…!遅刻する!」
翌朝。
肩に掛かっていた毛布にほっこりとしたのも束の間。
スマホを取り出し時刻を確認した私は真っ青になった。
昨日の事を思い出すより先に手鏡で顔をチェックし、慌ててバッグに荷物を突っ込む。
そのまま出勤しようと廊下のドアに手をかけるが……
床で丸まって寝ている修造を見て動きが止まる。
何も掛けてないから風邪を引くなと思って、自分にしてくれたように彼にもそっと毛布を掛けた。
「遅くまですみませんでした……お疲れなのに……」
修造は顔がキツめだけど、寝ている時は子供みたいに可愛かったりする。
無防備で、何をしてもなかなか起きないから……
前はこっそりキスしたり、突ついたりして楽しんでたなと1人懐かしんだ。
「そういえば近くにコンビニあったよね……」
私に手伝わせてくれてありがとう。
拒否しないでくれてありがとう。
そんな気持ちを込めて、私は急いでコンビニからコーヒーと適当なご飯を買って来てテーブルに置いた。
それから……メモ。
【私は仕事に行きます。良かったら食べて下さい。片付けお疲れ様でした。】
更に裏面にも一言ペンを走らせて、コーヒーの隣に置いた私は空港へと向かった。
気付いてくれなかったらそれまで。
そうしたら私は修造を完全に思い出にして前を向く。
もう好きでいるのはやめる。
毎晩貴方を想うのはやめる。
でも出来れば見てほしい。
そして……私に声聞かせて……。