【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第49章 *また逢えた……【虹村修造】*
さんside
離れていく……。
また彼が私から離れていく……。
最初は自然と口から零れたけど、もう貴方を修造と呼べないのはなんだか恥ずかしいから。
私がここで働いてる理由を言えないのは……面倒だと思われたくないから。
好きだよ……。
私は今でも貴方だけを好きでいる。
凄く大人びた貴方を見て胸がときめいて……力込めて胸に手を当ててもドキドキが収まらない。
このままここに居たら修造が人混みに紛れて消えてしまう……。
今手を伸ばさなきゃもう二度と掴めない。
「待って……お願い、振り向いて……」
いや……待ってるだけじゃダメだ。
自分から動かないと彼には近付けない。
散々待ったんだ、私は。
この場所で貴方に会えると信じてずっと。
毎日押し寄せるお客さんを見渡して、修造が居ないかどうか探してた日々。
それも今日で終わりだ。
自分勝手かもしれないけど……もう離れたくない。
手を伸ばせ。
まだ背中に手が届く。
今ならまだ間に合う……。
「虹村さん…!」
「っ……なんだよ」
「私も……私もお手伝いさせて下さい…!部屋の片付け…!」
「あ…?なんで……」
「お願いします!!」
でも抱き付く勇気はまだない。
こんな事しか言えない可愛くない女だけど、
今は貴方と居れるだけでいいから……
どうか頷いて……。