【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第49章 *また逢えた……【虹村修造】*
「あ、あの…!」
けどオレは足を止める。
背中に浴びた自分を呼び止めるの声。
幾ら周りが騒がしくてもハッキリと聞き取れる……大好きな声。
お前に声をかけられたら止まらずにはいられない。
後ろから抱き付いてくれるとか、そんなロマンチックな事を脳裏に浮かべてしまうオレだけど……
裏切られた時のショックは半端ないだろうから……ここは無理矢理考えを切り捨てて、振り返らずに「あ?」と答えた。
「あ、えっと……わ、私今日は上がりなんです……」
「おー、お疲れ」
「あのそれで……に、虹村さんはこれから……」
「わり、これからアパートに行って届いてる荷物整理しなきゃなんねーんだよ」
「あ……そ、そうですか……すみません……」
「……じゃーな」
が誘ってるっていうのは直ぐに分かった。
飯くらいなら行ってやっても良かったけど、そうすると余計に壁の厚みを感じそうで……怖くなった。
本当は今日じゃなくて明日片付けようと思ってたのに嘘ついて……オレはから逃げてる。
「クソッ……」
どうして上手くいかないんだろう。
タツヤと話した事……必ず実行しようと思っていたのに。
愛してるって言いたい。
再び歩き出した歩を止めて駆け寄って……お前を思いっきり抱きしめたい。
でもオレはもう〝修造〟じゃない……。
それがお前の答えなんだろ…?
だったら出来ねぇよ、そんな事……。