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【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】

第49章 *また逢えた……【虹村修造】*




〝虹村さん〟
〝言えない〟


さっきは修造って呼んでくれたのに、どうしてだか名字に変わっていてズキっと心が痛んだ。

おまけに言えないなんて……オレはこの時、こいつとの間に見えない壁がある事を感じてしまった。



「……そうか」

「はい……すみません……」

「別に謝る事ねーよ。人には言えねぇ事くらい誰にでもあんだろ」



でもオレは知りたかった。


もしかしたらオレに会えるかもしれないからって理由なんじゃないかと期待している自分がいて……その確証を得たかったんだ。

まだこいつもオレと同じ気持ちでいると信じたくて。


……けど教えてくれない。

自分だけが好きだったのかと勝手に虚しくなる。
「はは……」と苦笑したオレの声は周りの騒音に掻き消されて消えた。



「じゃあオレ行くわ」

「……はい」

「じゃーな。元気で……」



〝元気でやれよ〟


これを言ってしまったら今度こそ本当に会えなくなりそうで、喉に引っかかったままなかなか出て来ない。


がもうオレを何とも思ってないなら、今の自分の気持ちを悟られては困る。
というより迷惑になってしまう。


重い、鬱陶しい、諦めが悪い。


せめてそうは思われたくなくて、オレは軽く手をあげてこの場から遠ざかった。


ただそれだけで……言葉はない。
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