【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第48章 *もう会えない……【虹村修造】*
さんside
こんな先輩は初めて見る。
バスケをしている時のような真剣な顔でも、
後輩に制裁を下す時のような怒った顔でも、
私をからかう時のような笑う顔でもない。
見ていられないくらい辛そうで……脆く崩れてしまいそう。
どうしてそんな顔をするんですか…?
どうして涙を流すの…?
背けたって分かります。
何もかも震えているから……。
私はどうしたらいいですか…?
貴方に何が出来ますか…?
今触れたら先輩が壊れてしまいそうで手が伸びません……。
でも私に出来る事といったらこれくらいしか思いつかない。
抱きしめて……いいですか…?
「修造さん……」
「っ……バカかオメーはっ……何だよそれ…っ」
「じゃあどう呼べばいいんですか…?呼び捨て…?」
「すんな……絶対っ……」
「修造……」
「……っ」
「なんで泣いてるのか分からないですけど……私こんな修造見たくない……。だからお願い……泣かないで……」
と言ったのに逆効果だった。
私を抱きしめ返してくれるけど……さっきより震えが増していて、声を押し殺している。
どうしていいか分からなくて、ただ受け止める事しか出来ない自分に苛立つ。
何故こうなっているのか訳を知りたい。
それが知れたら全てが明るみに出るのに……
どうしてだか……怖くて聞けない……。