【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第48章 *もう会えない……【虹村修造】*
「送ってくれてありがとうございました。お休みなさい」
会話しながら寄り添いあって、今の大切な時間を複雑な思いで過ごしていたけど……
夜も遅くなってしまったから今送りに来たところ。
何も知らないこいつはオレに微笑んで、鍵穴を弄っている。
いつもなら「ああ、おやすみ」って言って帰るけど……
「待て」
「えっ、先輩…?」
まだ側にいたくて……オレは後ろからの動きを封じた。
後何回こうして抱きしめられるだろうとか考えると、切なさで胸が締め付けられて顔が歪む。
オレが今背中で眉を寄せている事を知らないは……きっと幸せそうにしているんだろう。
「悪りぃ……もう少しこうさせろ……」
「は……はい……」
「……お前はオレの事好きか?」
「はい、とても……」
「……そうか」
自分で聞いておいて悲しくなってくる。
オレの事をずっと好きでいて欲しい、好きだと言って欲しい。
好きなんて言うな、嫌いになれ……。
この二つの思いが入り混じって苦しい。
どっちも本心だから尚更だ。
こいつの事はため息が出るくらい想ってる。
部屋で1人でいる時も、授業中も、練習の休憩中も……
いつでも頭に浮かんでくる。
だから突き放せなくて……今もこうして腕に抱ける関係のまま。
オレの事を嫌いになったり飽きたりして、の方からオレを捨ててくれれば……
辛くて拳を握るのは……自分だけで済むのに……。