【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第47章 *切ない試練【黄瀬涼太】*
それから数日後の夜。
今日は生放送の仕事が入ってる為、入り時間前に局へと向かう。
あの後オレはっちについて聞く為に桃っちと電話をした。
連絡先だけでも聞けたらそれで十分だったけど……
『ごめんねきーちゃん……教えないでって言われてるんだ』
ダメだった。
予めっちは全員に言ってあったらしい。
なのに同窓会に来たのは、桃っちが彼女を引っ張ったからだと聞いた。
これじゃ気持ちを伝えられない。
っちの本心が聞けない。
どうしても諦められなくて、オレは困惑する桃っちに頼みまくった。
『ちゃん……ずっときーちゃんが出てる番組チェックしてるよ』
『ホントっスか…?』
『画面越しでもいいからきーちゃんに会いたいって……』
そうしたら……連絡先より遥かに良い事が聞けた。
自分の勘違いなんかじゃない。
やっぱりっちは今でもオレを想ってる。
確信が持てたオレはなんだか気分が晴れた気がした。
自分と同じ気持ちだなんて、純粋に嬉しいに決まってる。
「よし……今日はやってやるっスよ」
だからオレは今日の生で事をやらかすつもりでやって来た。
台本にはないアドリブで。
連絡先が分からないから……もうこれしか方法が見つからなかったんだ。