【黒子のバスケ】お手をどうぞ、お姫様【裏*18禁】
第47章 *切ない試練【黄瀬涼太】*
黄瀬side
〝オレには今でもお前しかいない〟
最後そう伝えたかったのに言えなかった。
っちが……涙を流したから。
オレは悪くないって言ってくれたけど違う。
悪いのはオレだ。
「っちも……オレと同じ気持ちっスか…?」
あの涙。
オレには「涼太、好きだよ」って言ってるように見えた。
本気でオレを嫌いになっているなら最後まで抵抗していた筈。
なのに流したって事は……好きだとしか思えない。
ちゃんと言われてないから勘違いかもしれないけど、オレはそう思いたくてっちを追い掛けた。
本心を聞きたくて。
でも既に姿は見えなくて……オレは1人暗闇に佇む。
「っち……何処で泣いてるんスか……」
今までずっとお前は涙を流してたんスか?
1人で涙を拭いてたんスか?
オレの事で泣くならオレの前で泣いて欲しい。
今なら拭ってやれる。
もう離れないから……姿を見せて。
もう一度抱きしめさせて。
オレに抱き付いて好きだと言って……。
「ホント……不器用過ぎっスわ……」